男坂をよ・・・

君だけがわかってくれた 
憧れを追いかけて 
僕は生きるよ
(おっとこれは福山雅治『桜坂』)

今週は樋口一葉さんの小説でした。
一葉さんは日本の近現代文学において
女性の存在意義を証明した
重要な作家だと思います。

『桜坂』の詩と無関係ではありません。
今日はこんな感想文。

日本という国にはどうも
男性と女性を分けたがる癖があるようで、
しかも男性をその中心に据えようとします。

これは決して男尊女卑と
一言で片付けられる傾向ではありません。

例えば少年誌。

という言葉はあるけれど
少女誌という言葉が無いのです。

男性は女性が少女誌を作る事は全く構わないし
女性の動きを抑圧するような事もほとんど無い。
けれども、
少年誌に少女の居場所を作ってあげようなんて
全く思わないわけです。

結局、少年誌と同様の少女版を作ってあげて
そこに女性を疎外しようとする。
女性の方から少女誌でも生まれたものなら
そりゃ良かったと言って相手にもしない。
(金儲けの企画は別として)

神事とかもそうですね。
男性が御輿を担いで女性には触らせない。
女御輿というのが出来ればそれは構わないけど
御神体を乗せる本御輿に女性を近づかせない。

どうやら男性だけでやりたいのです。

つまり女性を差別や卑下したいのではなく
日本男性は物凄く男尊世界に憧れる
ナルシストなんです。
祭りだとか言って真冬に水をかぶったりする
あの姿を見ていればよく分かります。
馬鹿なんjy・・・、コホン。
女卑なんてものを考えている時間さえ惜しい。
男が男で男の道を男、男、男。

この精神の持ち主は一般にもよく見かけます。
仕事は嫌いだと言いながら
家族よりも仕事を重要にしている男性。
仕事で稼ぐのが家族のためだというのは
体の良い言い訳です。
本当はその苦境に集中していられる
「俺」が大好きなんです。
職場は己を磨く修行の場ですからね。

それで放って置くと男性同士で固まって
自分たちの精神の研究を始めてしまう。
浪漫という名の男坂を
延々と登り始めるのです。

これを理解してくれる女性は大歓迎するけれど
遠巻きに見ている女性は相手にもしてくれない。

オタクサークルの姫がモテるのは
その習性を理解しようとするからです。
男性と一緒にカードを集めたりしながら
本当は男の関心を集めたい。
これがカードに本腰を入れてしまうと
男性からはモテません。
カードを集めるのは俺の仕事、
それを理解して支えてくれる女性が欲しい。
なーんて考えているのがオタク男性です。


まあ、それで女性の方も
そんな男性を見ながら思うわけです。
どうしよう・・・、と。

女性文化を作って男性に対抗しようって、
いわゆるフェミニストやジェンダー論の人たちが
女性だけで団結しますと、もう完全に逆効果。
男性は見向きもしないから離れる一方です。

こちらを見ろと言わんばかりに女が強く出れば
男たちは一目散に逃げていく。
目を合わせない。
女性をどんどん嫌になっていく。

女性だって男性と違わない能力がありますから
職場や自治体や家庭で、権力を掴む人もいます。
こうなると男坂はただの坂道になってしまい、
男性たちは途端にやる気を失くして
その共同体は温順になってしまいます。

また、女性らしさで男性を引き付けようとして
女性誌のKawaii特集の格好に身を包み
デートで女性をアピールする人もいますね。
しかし男性はそれを全く何とも思いません。
女性文化に興味が無いのです。
そもそも服なんて脱がす事しか考えてない。

この時、男性の思考はこうです。
この女性は結婚したら幾らくらい使うかな。
俺の男坂を理解してくれるかな。
所帯を持つためには
女坂も理解してあげないといけないよな。

なんだ、女坂ってw

でも男性思考ではそうとしか考えられない。
この人は何を求める人生を歩いているのかとか
そんな事を考えてしまうわけです。
当の女性は
この男性の稼ぎは幾らくらいだろう。
この人と生活したらどんな風になるかな。
坂なんて登るのも下るのもメンドクサイ
と考えているのに。


ここで、一葉さんの登場です。

一葉さんはまずオタサーの姫になります。
そこで文芸でもカードでも何でもいいから
男性の考え方を、ここでいう男坂を、
徹底的に研究します。
その上で、男性の仕事の邪魔をしないように
自分の出来る仕事と
自分にしか出来ない仕事を探します。
神事で言えば、わたしも御輿を担ぎたい、
などとは言い出さない。
掃除とか食事の用意とか
男性の苦手な所に目をつける。
そのうち
居なくては成らない女性であると
男性に気づかせるのです。

これ、最近の漫画雑誌で良く見かけますね。
漫画を一見しただけでは分からないけれど
実は女性作家という事が多くなりました。
文脈は男性の書き方なのに
女性キャラの造形が妙に上手い。
(当たり前だけど)

男性の雑誌を壊す事なく
どんどん仕事を取っていく。
男性だけでは描けない世界を広げていく。
女性作家がいなければ淋しいと
男性に思わせるまで。


さてさて、逃げる男性、追う女性。
冒頭の『桜坂』の歌詞はまさに「男坂」
君の理解をもらって
僕は自分の憧れに
一人で登るよ!

いやいや、待て待て。
わたしもつれていきなさいw
できれば、おぶってww

こんな風に女性が言えたなら

その道中はきっと楽しい。


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